私たちの食卓に欠かせない、ふっくらと美味しいお米。もう直ぐ新米の季節！その一粒一粒がどのようにして私たちの元に届くのか、考えたことはありますか？
青々と広がる田んぼの風景には、私たちが知らないちょっとした雑学なんかも隠されています。
米作りの一年を追う：知られざる稲の一生
春、まず行われるのが育苗（いくびょう）です。種もみから苗を育て、田んぼに植える準備をします。昔は手作業で植える「田植え」が大変な重労働でしたが、今は田植え機のおかげで、まっすぐ均一に植えられるようになりました。
田植えを終えた稲は、水田でぐんぐんと育ちます。夏にかけて、稲はまるで分けつするように茎を増やし、葉を広げ、太陽の光をたっぷり浴びます。この時期の稲はとてもデリケートで、農家の方々は水田の水を細かく管理し、気象、高温、外来種、雑草や病害虫から稲を守るために日々奮闘しています。
知って楽しい！お米の雑学！
- 稲穂が垂れるのはなぜ？
「実るほど頭（こうべ）を垂れる稲穂かな」という有名なことわざがありますね。稲は穂に米粒が詰まって重くなるほど、頭を垂れるようになります。この様子は、知識や経験を積んだ人ほど謙虚になるべきだという教訓を表しています。 - 日本酒と焼酎、どう違う？
どちらも米が原料になることがありますが、大きな違いは作り方です。日本酒は、米に麹（こうじ）と酵母を加えて発酵させる「醸造酒」。一方、焼酎は、米麹などを発酵させて作った「もろみ」を蒸留して作られる「蒸留酒」です。
結構大変！米作りの工程！
- 種まきから育苗
まずは、種もみを選び、苗を育てます。発芽しやすいように水に浸したり、育苗箱に種をまいたりする作業です。 - 田植え
育った苗を水田に植え替えます。手作業で行うこともありますが、今は田植え機が主流です。まっすぐ並んだ苗が、これから大きく育っていく様子を想像するとワクワクします。 - 稲の成長と管理
田植え後は、水田の水を適切に管理し、雑草を取り除いたり、肥料を与えたりします。病害虫から稲を守るための手入れも欠かせません。この時期、稲は太陽の光を浴びてどんどん成長し、茎を増やし、穂をつけます。 - 収穫（稲刈り）
稲穂が黄金色に実ったら、いよいよ稲刈りです。コンバインという機械を使って効率よく刈り取ります。刈り取った稲は乾燥させ、もみ殻を取り除いて玄米にします。 - 精米
玄米を白米にするのが精米です。米の栄養素の多くは糠（ぬか）に含まれていますが、白米はあっさりとしていて、どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。
最後にお米を美味しく、そして安全に保存するためには、いくつかのポイントがあります。お米は生鮮食品なので、適切な環境で保管しないと、風味が落ちたり、虫やカビが発生したりしてしまいます。
- 保存場所は「冷蔵庫の野菜室」がベスト！
お米にとって最適な環境は、「温度が低く、湿度が適度に保たれ、直射日光が当たらない場所」です。これを満たすのが、家庭では冷蔵庫の野菜室です。
- 低温で鮮度をキープ: お米は高温に弱く、20℃以上になると酸化が進み、風味が劣化しやすいと言われています。冷蔵庫の野菜室は10℃前後で安定しているため、お米の劣化を遅らせ、美味しさを長持ちさせてくれます。
- 虫やカビの発生を抑制: 虫は15℃以上で活動が活発になり、カビは高温多湿な場所で発生しやすくなります。冷蔵庫の野菜室は、これらの発生を抑えるのに効果的です。
- 密閉できる容器に移し替える
買ってきたお米の袋には、通気のために小さな穴が開いていることが多く、そのまま保存すると乾燥が進んだり、虫が侵入したり、周りの匂いを吸着したりしてしまいます。
- 容器の選び方:
- ペットボトル: 2リットルのペットボトルは、お米を密閉して保存するのにとても便利です。よく洗って完全に乾かしてから使いましょう。
- 密閉容器（タッパーなど）: 密閉性の高い容器もおすすめです。ガラス製やプラスチック製など、清潔で匂いがつきにくいものを選びましょう。
- チャック付きの保存袋: 小分けにして保存したい場合は、チャック付きの密閉袋も有効です。空気をしっかり抜いてから閉じましょう。
- 保存容器は常に清潔に
新しいお米を継ぎ足す前に、必ず保存容器をきれいに洗い、完全に乾かしてから使うようにしましょう。容器に古いお米やゴミが残っていると、そこから虫やカビが発生する原因になります。 - 匂いの強いものの近くには置かない
お米は匂いを吸収しやすい性質があります。冷蔵庫内でキムチや納豆、ニンニクなど匂いの強い食材の近くに置くと、お米に匂いが移ってしまうことがあるので注意が必要です。 - 美味しく食べられる期間の目安
精米された白米は、夏場は1ヶ月、冬場でも1〜2ヶ月を目安に食べきるのがおすすめです。お米は生鮮食品という意識を持って、新鮮なうちに美味しくいただきましょう。
これらの方法を実践することで、お米の美味しさをより長く楽しむことができます。ぜひ、試してみてくださいね。
お米は、たくさんの人の手と時間、そして自然の恵みによって育まれています。私たちが毎日食べているお米の一粒一粒に、作り手の努力が詰まっていることを感じていただけたら嬉しいです。
